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【イベントレポート】企業とアーティストの新しい関係から生まれる次世代のブランディング-音の資産で継承する-

先般プレスリリースおよびquantumのSNSなどでも告知したとおり、9月9日の夜、quantumの安藤が代表を務めるブランデッドオーディオストレージ「SOUNDS GOOD®」によるオンライントークセッション『企業とアーティストの新しい関係から生まれる次世代のブランディング-音の資産で継承する-』が開催された。


ローンチ以来コンスタントにイベントやワークショップなどを実施、またメディアでもたびたび発信を行ってきたSOUNDS GOOD®だが、今回のセッションのように「音を活用した次世代のブランディングとその可能性」という視点で真っ向から議論した機会はそれほど多くない。そのせいもあってか、当日は多くのご参加をいただき、イベントは盛況のうちに幕を閉じた。

そこでここでは、SOUNDS GOOD®︎の活動の一端に触れていただき、また共に「音を活用したブランディングの可能性」について考えていただくためにも、当日のイベントレポートをお届けする。

SOUNDS GOOD®︎の活動に興味がある方はもちろん、「音の資産」をどうブランディングに活かしていくかという当日も議論された視点は新規事業開発に取り組む全ての人にとって何らかのヒントがあるのでは。

以下、ライターの山田洋介氏による、当日のイベントレポートをご覧ください。


イベントレポート:企業が持つ“音の資産”を未来へ SOUNDS GOOD®が目論む新しいブランディングの形

今当たり前にあることが、未来も当たり前に続くわけではない。昨今の時代状況下、改めてそんなことを考えた人は多いかもしれない。

ならば、大切なものは、時間が経っても今の感情や記憶を蘇らせられる形で残しておいた方がいい。それは個人でも、企業などの組織でも同じだ。

BRANDED AUDIO STORAGE [SOUNDS GOOD®](以下、SOUNDS GOOD®)は、工場の製造ラインやプロダクトを使用する時の音など、その企業だけが持つ音に注目。“音の資産”として残すとともに、音楽アーティストやイラストレーターとコラボレーションし、その音を使った楽曲の制作や、音をインスピレーション源とした作品の制作など、企業が持つ音を意味のある形で未来に継承する活動を展開している。

そのSOUNDS GOOD®が9月9日、『企業とアーティストの新しい関係から生まれる次世代のブランディング-音の資産で継承する-』と題したオンライントークセッションを開催。企業やメディア関係者、クリエイターなどのべ125名が参加するなかで、 “音の資産”を残すことの意義と、それがもたらす新しいブランディングの可能性について、様々なアイデアが語られた。


■人それぞれが自分だけの記憶を想起する “音の資産”を残す意義

トークセッションには
SOUNDS GOOD®代表の安藤 紘(quantum)、株式会社オトバンク代表取締役社長 久保田 裕也氏、三井化学株式会社コーポレートコミュニケーション部 松永 有理氏、株式会社博報堂ケトル クリエイティブディレクター/プロデューサーの畑中 翔太氏、株式会社ニッポン放送 番組プロデューサー冨山 雄一氏の5人が登場。ファシリテーターはKESIKI INC. Partnerの井上 裕太氏が務めた。

“音の資産”を活用するSOUNDS GOOD®の実例として挙げられたのは、2020年5月に129年の歴史に幕を下ろした福岡県大牟田市の炭鉱電車を音として残す取組みだ。

炭鉱電車を管理していた三井化学株式会社の松永有理氏によると、100年以上続き、地域に根づいた炭鉱電車の廃止が決まった時に、なんとかいい形で終わらせて、これをレガシーとして残せないかと考えたそう。

「昔から変わらない車両が修理を重ねながら走り続けるってすごいことです。この電車を残すことで、弊社が大切にしている価値観を未来にわたっても語ってくれるものになるのではないかと考えた時に、“五感”に訴える形で残せたらなと」(松永氏)

このプロジェクトでは、走行音や踏切の音、昔ながらの転轍機を切り替える音など、炭鉱電車にまつわる様々な音を録音し、耳に心地よい音に編集したうえでA S M R音源として公開した。松永氏の興味を引いたのは「音の余白」だったという。

「映像などと比べると、音は“余白”が大きくて、そのぶん、聞く人が自分なりの記憶を想起する余地があるのがおもしろかったです」(松永氏)

聞く人それぞれに、異なったイメージを掻き立てるという、特徴的な「音の余白」には、音を作る側の意図も見え隠れする。

「人が気持ちいい音だと思える音を大事にしています。企業の現場に行って収録をすると色々なノイズが入ってしまうのですが、そういうノイズは削ぎ落として、シンプルに気持ちのいい音だけを残しています」とSOUNDS GOOD®代表の安藤紘氏。

音源の収録・編集を担当する株式会社オトバンクの久保田裕也氏も「どの音を切ってどれを残すかはかなり細かく吟味していますし、かといって“余白”を削らないように細心の注意を払っています。それぞれの人がいい形で思い出や記憶を想起できるような音作りを心がけています」と語った。


■音には映像よりもクリエイティビティやアートが入り込む余地がたくさんある

余白の多さという音の特徴は、「素材としての使いやすさ」でもある。
実際、SOUNDS GOOD®では収録した“音の資産”を音楽アーティストやクリエイターと共有。彼らが制作した楽曲や作品を発信し、それらがインターネット上で拡散されることで、企業の“音の資産”はより広い社会性を持ち、ブランディングに寄与することになる。

博報堂ケトルでクリエイティブディレクター/プロデューサーを務める畑中翔太氏が「音には映像よりもクリエイティビティやアートが入り込む余地がたくさんある」と語るように、素材としての音をどう利用するかについては、スピーカーから様々な意見が出た。

ニッポン放送の番組プロデューサー・冨山雄一氏が、自身が担当する「オールナイトニッポン」と絡めて

「たとえば、ニッポン放送の収録スタジオのドアが開く音とか、ミキシングの音を合わせて、(オールナイトニッポンOP曲の)『ビタースウィート・サンバ』を作るなど、企業それぞれが発する音を集めて、その企業のサウンドロゴや新しい曲を作るというようなことは、クリエイターなら燃えるのでは」

と語れば、畑中氏は
「今はみんながクリエイターになれる時代。プロのクリエイターに音を提供すればかっこいいものができるのはまちがいないですが、もっと裾野にいる人に、音を使って遊んでもらうことができたら、広がりやすいと思います。YouTuberの人たちを見ていると、番組の中で結構みんな同じフリー音源を使っているんです。あれがもし企業の音だったら、と考えるとおもしろいですよね」

と独自のアイデアを披露するなど、クリエイター経由で企業の持つ“音の資産”の認知を広げ、ブランディングに役立てていくアイデアに関するトークに花が咲いた。また、安藤氏は

「自社工場の制服のデザインをデザイナーに依頼するとして、それまでは『こうしてほしい』という希望を言葉で伝えるしかなかったものが、その工場の音を資産として残しておくことで、その音をデザイナーに聞かせて、デザインのインスピレーションを得てもらうということもできるようになると思います。何度も使えて、様々な使い方ができるのが“音の資産”の良さだと思っています」と、単なる広告活用などのブランディングの枠に収まらない、音の活用法のアイデアを明かした。

井上氏によるテンポの良いファシリテーションもあって、各方面のトップランナーたちによる音を使ったブランディングのアイデアが飛び交うトークセッションは濃密の一言。

オンラインセッションのコメント欄でも様々な質問や意見が寄せられるなど、イベントは終始活気があり、新しいサービスやプロダクトが生まれる瞬間に立ち会っているような、興奮を感じさせる時間だった。

<イベントレポートはここまで>


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